「ここに宝があると?」
「うん……」
目の前にいる少女がその小さな体に見合う小さな声を上げてうなずいた。その前には大きなドア。
この屋敷には宝が隠されている。それがこのしきりの向こうにあると少女は話した。
当たり前だがドアには鍵がかかっている。俺は鍵のありかを知らない。
時刻は0時の5分前。
少女も鍵を持っていない。

5分前だったのはさっきの話でもう4分くらいたったのか、そしたら1分前だ。
もうそろそろ広間にある大時計が夜の静けさを知らずに鐘をあげる。

少女は小さな手でドアノブをつかんだ。

0時の鐘が響く。

少女はノブを回し、
ゆっくりとドアを押す。

1秒が何10倍にも感じた。
鐘がいつまでも鳴っている気がした。

ドアが動いた。
ゆっくりと、
ゆっくりと、
宝を身ごもった部屋のドアが
神に許されたように開く。

(しかし、なぜ、ドアが?)
(彼女は、どこに、鍵を?)

鐘は鳴り続ける。



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