(この作品は、「よみかく分室」の課題として書いたものです)


●一行コンセプト

「自信のない少女が、変われるきっかけを掴む話」


●あらすじ

 バレンタインデー近づく二月始め、帰宅途中に水原美由紀は幼なじみの柳瀬和也を見かけて立ち止まる。彼女は声をかけようとするが結局できず、帰宅する。もう何年もこんな状態が続いていた。今年こそ、小さい頃にした手作りチョコを渡すという約束を果たしたかったが、この調子だとまた守れそうにないと落ち込む美由紀。
 その夜寝付けなかったため、家の書庫に本を探しに行った美由紀は、部屋にある鏡に映った自分の姿がおかしいことに気付く。それが別の世界の自分、美由紀’との出会いだった。
 美由紀は最初のうちこそ気味悪がっていたが、しだいに明るく積極的な美由紀’が好きになり、毎日書庫で話すようになる。そして美由紀’から学校での楽しい出来事や、和也とのやりとりを聞かされるうち、自分も彼女のようになりたいと望むようになる。
 バレンタインデー二日前。美由紀’からバレンタインのチョコを一緒につくってほしいと頼まれる。どうやら和也に手作りチョコをわたすという幼い頃にした約束を今年こそ果たせと言われたらしい。
 同じ約束をしていることに驚いた美由紀がそう話すと、一緒に渡そうと誘われる。しかし美由紀は断った。彼女の方はもうつきあいがまったくなく、和也が約束を憶えており、受け取ってくれる自信がまったくなかったからだ。
 そして当日、一緒に作ったチョコを持っては来たが、結局渡せない。しかし帰宅するとき、和也と出会い数年ぶりに一緒に帰ることになる。この偶然を生かそうとする美由紀だが、うつむくばかりで話すらまともにできなかった。諦めかける美由紀。しかし約束をした公園まできたときに、和也は立ち止まり、子供の頃の思い出を話す。それで美由紀は彼もまた約束を憶えていてくれたことを知る。
 美由紀はそれでも悩むが、美由紀’の励ましを思い出し、それを最後の一押しにして何とかチョコを手渡すことができた。
 そして夜、美由紀’に礼を言うと、彼女もこっちこそチョコの作り方を教えて貰って助かったと笑う。
 そんなやりとりの中、美由紀は少し自分が変われたかもしれないと思うのだった。


●十六分割プロット

(起:鏡に映った別の世界に住むもう一人の自分とであう美由紀)
  起:美由紀は和也をみかけるが、声をかけられずに帰宅する。
  承:その夜、家の書庫で美由紀は鏡に映った自分の姿がおかしいことに気付く。
  転:覗き込むと、鏡の向こうから声がして自分の姿がかってに動く。
  結:それが二人の出会いだった。

(承:話すうち次第に惹かれ、自分もああなりたいと願うようになる)
  起:気味が悪いとは思いながらも、美由紀は寂しさから毎晩美由紀’と話す。
  承:学校でのできごとや、和也の事を話す美由紀’。話を合わせて会話する美由紀。だんだん美由紀’のことが好きになる。
  転:ある日、耐えられなくなって美由紀は自分が正反対の性格で友人が一人もいないことをうち明ける。
  結:自分が友達だと美由紀’に言われ、自分もこうなりたいと思うようになる。

(転:和也に渡す約束のチョコを一緒に作ってくれと頼まれる)
 起:バレンタインが近づいたある日、学校で誰かが和也にチョコを渡すというのを耳にする。
 承:その夜、美由紀’との話もバレンタインの話題になり、チョコの作り方を教えてくれと頼まれる。
 転:チョコを作る二人。その時の会話で、渡す相手が和也と知り、同じ約束をしていたことに気付く。
 結:一緒に渡そうと美由紀’に誘われるが他の子が渡すからと断る。しかし美由紀’に励まされ、和也が誰からももらわなかったら頑張ることを約束する。

(結:和也の気持ちと美由紀’の励ましで今まで渡せなかったチョコレートを渡す)
 起:和也は他の生徒のチョコを断り、誰からももらわない。しかし結局渡せない美由紀。
 承:帰り道に和也と出会い、数年ぶりに一緒に帰ることになる。
 転:和也が約束を憶えていたこと。チョコをもらわなかったのは自分のが欲しかったからということ。美由紀’の励まし。それでついにチョコレートを渡す。
 結:美由紀’と今日のことを話ながら、自分が変われたことを実感する。




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