「わたし、死神のバイトしているけど、それでもいいの」
 それが氷野佳織へ告白した南雲宗二に帰ってきた言葉だった。
 宗二は悩んだ末、彼女が死神として何をしているのか見せてもらうことにする。頼みこんだ宗二に佳織は戸惑いながらも了解の返事をした。
 見せてあげるから来てといわれ、宗二が佳織とともに行った場所は繁華街の中にある寂れた廃ビルだった。ビルの中に入ると佳織は死神としての正装――マントを羽織り、剣を手に握った。ビルの5階へと移動すると佳織はひとり進んで行く。待てといわれた宗二だが、佳織のことが気に掛かり後を追いかけ、彼女に今にも男に襲われそうになっているのを見た。だが佳織は男を軽くいなし、その意識を失わせた。
 男のことはそれ以上気にせず、佳織は床に剣を突き刺すと、そこに閉じ込められていた魂を解放し死神としての仕事を果たした。一仕事終え、気を失った彼女を宗二は近くの公園へと連れて行った。
 目覚めた佳織は早急に宗二に告白の返事の返事を求めようとするが、宗二はその前に死神の仕事がなんであるかを尋ねた。それは天に帰れず、さまよっている魂を解放してあげるものだと彼女は語った。
 佳織から話を聞き終え、宗二は彼女とはじめて出会ったときのことを語り始めた。それは1年前の雨の日、学校帰りに公園に来た宗二が見かけた、子犬を抱えた儚い雰囲気を持つ少女だった。少女とともに子犬の墓を作った宗二はいつのまにか彼女に惹かれていたことに気付いた。少女の制服が自分の学校と同じだと気付いていた宗二は友人に聞き、すぐに彼女の名を知ることとなった。
 過去を語り終えた後、宗二は改めて佳織に告白をしなおす。会話の流れから彼女の気持ちに気付いていた宗二だが、すべてを知った上でもう一度告白しなおした。その言葉に佳織は涙を流し、自分の気持ちを打ち明けた。
 佳織を家まで送った後、宗二は彼女の気持ちをキスとして、もう一度受け取ることとなった。



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