あらすじ

 小六の夏休み前日。僕こと江崎和也は、好きだった女の子(伊藤麻衣)にいたずらをして嫌われてしまう。
 仲直りの機会がないまま、二人は中学に進学。クラスも離れ離れ。会話をすることもままならない。
 月日が流れ、夏になる。明日から夏休みというこの日、和也の元にニュースが届く。麻衣が入院したという。
 友達と共に、見舞いに行く和也。一年ぶりの麻衣との会話。大部屋に入院していた彼女は、思ったより元気そうだった。だが、次に見舞いに来た時状況は激変している。病状が悪化した麻衣は、個室に移されていた。
 ひとりぼっちの部屋。麻衣は、さみしさと不安を隠せないでいた。何もできない自分を歯がゆく思いつつ、和也は病室を後にする。
 面会謝絶の数日間を経て、和也は再び麻衣に会った。やせ衰えた彼女は言う。「言霊って知ってる? 言葉にはね、力があるんだ」
 信じればその力を発揮できるという。そして話題は、彼女の持つ漫画へと移る。『イカロスの翼』自ら作成した翼で、少女を救う男の話だった。
「わたしも飛んで、ここから出たい」寂しげにそう言う麻衣を見て、和也は翼を作ることを決意する。
 夜。完成した翼と共に、和也は病室を訪れた。「一緒に飛ぼう」そう言って、麻衣と手をつなぎ、窓の外に飛翔する。
 果たして二人は空を飛んでいた。かつて通っていた小学校の上空を旋回しながら、互いの夢について語る。二人の間にあったわだかまりは、氷解した。
 そして二学期。友人と共に登校していた和也の前に、麻衣が姿をあらわす。元気な姿を。



戻るへ。